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投稿日 2016年10月20日
2009年1月、スティーブ・ジョブズは病に倒れ、やつれ衰弱し、ベッドから起き上がることもままならない状態だった。腹水と呼ばれる痛みを伴う症状は、がんの消化器系の副作用で腹部が膨らんだ状態だった。アップルのCEOである彼は、肝移植を切実に必要としていた。そして、後に後継者となる人物に、その移植手術がほぼ成功していた。
ベテラン技術記者ブレント・シュレンダー氏とファスト・カンパニー編集長リック・テッツェリ氏による新しい伝記『 Becoming Steve Jobs』 (3月24日発売)では 、現アップルCEOティム・クック氏がかつて病に倒れていたジョブズ氏に自身の肝臓の一部を提供したことが明らかにされている。
ある日の午後、クックはひどく落ち込んだ気分で家を出て、自分の血液検査を受けました。スティーブと同じように、自分も珍しい血液型であることがわかり、もしかしたら同じかもしれないと推測しました。彼は調べ始め、生体肝臓の一部を移植を必要とする人に移植できることを知りました。米国では毎年約6,000件の生体肝臓移植が行われており、ドナーとレシピエント双方の成功率は高いです。肝臓は再生臓器です。レシピエントに移植された部分は機能的な大きさに成長し、ドナーが提供した肝臓の部分もまた再生します。
部分移植がそもそも可能かどうかを判断するための一連の検査を受けた後、クックはパロアルトにあるジョブズの自宅を訪れ、移植を申し出た。ジョブズは拒否した。「私が言葉を出す前に、彼は私の脚を切断した」とクックは語った。「『だめだ』と彼は言った。『絶対にそんなことはさせない。絶対にしない』」
「利己的な人間は」とクックは続ける。「あんな返事はしない。だって、ここには死にそうな男がいる。肝臓の問題で死期が近い。そこに健康な人間が逃げ道を提供している。私が『スティーブ、私は完全に健康だ。検査も済んだ。これが診断書だ。これはできるし、自分を危険にさらすこともない。大丈夫だ』と言った。でも彼は何も考えなかった。『本当にこれをやりたいのか?』『考えてみる』『ああ、今の私の状態は…』ではなく、『いや、そんなことはしない!』と。ベッドから飛び出して、そう言ったんだ。しかも、当時は状況が最悪だった。スティーブと知り合って13年になるが、彼が私に怒鳴ったのは4、5回だけ。これはそのうちの1回だった」
記事は www.fastcompany.com より。
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